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1994 年度 実績報告書

トップロ-ディング式断熱型熱量計による分子性粉砕非晶質の構造緩和に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06804032
研究機関大阪大学

研究代表者

山室 修  大阪大学, 理学部, 助手 (20200777)

キーワードトップロ-ディング方式 / 断熱型熱量計 / 分子性結晶 / 粉砕非晶質 / 構造緩和
研究概要

初年度の計画の中心であるトップロ-ディング式断熱型熱量計の製作は,やや遅れているが,既に70%程度は完成しており,現在最終段階のクライオスタット内の配線の準備をしている。真空テスト,冷媒の保持能力テスト,センタースティックの出し入れのテストなどを行ったが,すべて順調に働いている。遅くとも5月には完成させ,試運転を行いたい。
装置の製作と平行して,様々な有機物結晶の粉砕非晶化の試みを示差走査型熱量計(DSC)や粉末X線回折で行っているが,既に多くの有意義な結果が得られている。これまで知られていた粉砕非晶化有機結晶はtri-O-methyl-β-cyclodextrin(TMCD)のみであったが,昨年,sucrose(SUC),salicin(SAL),phenolphthalein(PP),1,3,5-tri-α-naphthylbenzene(TNB)が粉砕により非晶化することを発見した。その結果をまとめた論文は既に,速報誌であるSolid State Communications誌に受理されており,4月には掲載予定である。上であげた試料の中で最も分子構造が単純であるTNBの粉砕非晶質と液体急冷ガラスに関しては,研究室既設の断熱型熱量計による熱容量測定を5-380Kの温度範囲で行った。粉砕非晶質は液体急冷ガラスに比べて,より低温からエンタルピー緩和による発熱を起こし,より低温で結晶化した。この結果は昨年の分子構造総合討論会(東京)で発表している。今回の実験で試料を熱量計にセットした温度は約12℃であったが,トップロ-ディング式断熱型熱量計が完成すれば,はるかに低温(約-150℃)でセットすることが可能になり,より定量的かつ多くの情報が得られるものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] I.Tsukushi: "Heat Capacities and Glass Transitions of Ground Amorphous Solid and Liquid-quenched Glass of Tri-O-methyl-β-cyclodextrin" Journal of Non-Crystalline Solids. 175. 187-194 (1994)

  • [文献書誌] I.Tsukushi: "Solid State Amorphization of Organic Molecular Crystals Using a Vibrating Mill" Solid State Communications. (発売予定).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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