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1995 年度 研究成果報告書概要

原生動物の繊毛運動におけるアルギニンシャトル機構

研究課題

研究課題/領域番号 06804055
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 動物生理・代謝
研究機関富山大学

研究代表者

野口 宗憲  富山大学, 理学部, 助教授 (30019004)

研究期間 (年度) 1994 – 1995
キーワード繊毛運動 / ゾウリムシ / 原生動物 / アルギニンキナーゼ
研究概要

ゾウリムシの細胞表層シートの繊毛基部からATPとアルギニンリン酸を与え,繊毛軸糸へのATP供給に対するアルギニンリン酸の効果を調べた結果,推定細胞内濃度である0.4mMのアルギニンリン酸が,繊毛内にATPを供給するのに充分効果があり,アルギニンシャトルの繊毛運動における有効性が証明された.また,最大繊毛打頻度を与えるに必要最小限の繊毛内ATP濃度は0.2mM以上であると推定された.
ゾウリムシから繊毛を分離し繊毛軸糸を調製する過程で得られる脱繊毛処理液(ジブカイン分画)中に大量のアルギニンキナーゼ活性が含まれることを見い出した.そこで,このジブカイン分画からのアルギニンシャトル機構を担うアルギニンキナーゼの精製を試みた.精製は,陰イオン交換カラム,ハイドロキシアパタイトカラム,ゲル濾過を用いて行なった.また,細胞体,膜マトリクス分画をジブカイン分画から精製したフラクションとともにSDS-PAGEしバンドを比較した.その結果,細胞体とジブカイン分画に含まれるアルギニンキナーゼは同じ分子量(46kDa)であったが,膜マトリクスに含まれるアルギニンキナーゼの分子量は前者と異なり,若干小さい(42kDa)ことが明らかとなった.このことは,エネルギーを生産する側の細胞体型のアルギニンキナーゼと,エネルギーを消費する側の繊毛型のアルギニンキナーゼが異なるアイソフォームであることを示唆しており,細胞体から繊毛へアルギニンリン酸により高エネルギーリン酸を運ぶアルギニンシャトル機構の存在を生化学的な構成要素の違いから確認できた.

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公開日: 1997-03-04  

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