研究概要 |
1.赤外領域における液晶の光物性について (1)シリコニット光源(水冷),赤外検出素子,回折格子分光器,反射鏡等を用いて赤外領域における液晶の光物性を測定し解析するシステムを構成し,電極基板としてのシリコンウエハ及び透明導電膜を付けた石英ガラス基板の赤外領域での吸収と電気伝導特性との関連を調べ,透明電極基板として検討を加えた。 (2)誘導異方性が正のネマティック液晶を用いて,赤外領域における透過特性並びに複屈折特性を測定した。 (3)捻れネマティック(TN)液晶セルにおける電圧印加による光透過特性の制御効果について特性測定を行った。 2.サブミリ波(0.245[mm])における液晶の光物性について (1)液晶デバイスを構成するための基板について,サブミリ波帯における透過率の測定を行った結果,Siでは95%程度,水晶では90%,石英では60%程度の透過率が得られた。また,Al膜やITO付きガラス板は使用できないこと,液晶分子配向膜としてのポリビニルアルコール(PVA)膜は特に問題なく使用できることが分った (2)予備実験として,ネマティック液晶分子が基板に平行に配向している100[μm]厚のセルを作製し,電圧印加による複屈折特性を測定した結果,10[V]程度の電圧でλ/8〜λ/10程度の変化が得られた。 (3)液晶マイクロレンズアレイを通した場合の散乱効果としては,印加電圧が10[V]でマイクロレンズの直径が700[μm]の場合に15%透過率が低下し,直径が200[μm]では30%減少した。 (4)基板としてシリコンおよび水晶板を用いて,種々の厚みのホモジアスセルを作製し,セル回転法により透過率を測定し,液晶の屈折率を求める手法について検討を行った。
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