研究課題/領域番号 |
06805005
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
鎌田 憲彦 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50211173)
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研究分担者 |
山口 克彦 埼玉大学, 工学部, 助手 (30251143)
高橋 幸郎 埼玉大学, 地域共同研究センター, 助教授 (10124596)
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キーワード | 希土類イオン / 蛍光ガラス / 共鳴エネルギー移動 / 蛍光体 / 濃度消光 |
研究概要 |
希土類イオン間の共鳴エネルギー移動率を変化させ得る制御光を蛍光ガラス試料に照射し、可視発光凖位の中から特定の遷移を選択するため、前年度に引き続き紫外光及び可視・赤外光の同時照射フォトルミネッセンス(PL)測定を進めた。研究経過及び主な成果を以下に列挙する。 1.共鳴赤外光照射効果(論文準備中) (1)長波長帯半導体レーザー(λ=1.55〜1.65μm)を共鳴赤外光源として使用するための照射光学系を作製した。 (2)N_2レーザー(パルス光)でTb^<3+>の^5D_3準位を励起し、長波長帯半導体レーザーでの共鳴赤外光照射により^5D_4→^7F_5発光の時分解PLに微妙な変化を検出した。現在より高出力な半導体レーザーを調達中である。 2.色素レーザー励起時の赤外光照射効果(論文発表済み(11.研究発表欄参照)) 共鳴赤外光強度を計算するため、^5D_3、^5D_4両準位の選択励起PL測定を行った。^5D_3準位励起(N_2レーサー)、^5D_4準位励起(色素レーザー)での各発光線の時分解PL測定により、両準位の固有寿命を分離した。 (2)^5D_3準位励起での^5D_3、^5D_4両準位の励起確率、共鳴エネルギー移動率が初めて定量的に決定された。 両準位励起時の時分解PL測定(口頭発表予定、論文投稿中(Int. Conf. on Luminescence, J. Lumin. )) (1)N_2レーザーによる^5D_3準位励起時にHe-Cdレーザーによる^5D_4準位励起を重畳し、Tb^<3+>濃度1モル%の試料で^5D_4→^7F_3発光の時分解PLに明確な変化(減衰初期は強度低下、その後は逆に強度増大)を検出した。この変化は1.の(2)と異なり十分な制度で観測されており、^5D_4準位励起による共鳴エネルギー移動の阻害効果として注目される。
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