研究概要 |
本研究では磁性流体の移動を利用したトルク伝達装置の制御方式としてコイルの印加にパルス幅変調(Pulse Width Modulation: PWM)方式を用い,磁場を変化させてトルク制御を行うことを試みた.さらに,この装置の入出力間の非線形性と応答遅れに対し,希望する出力特性を得るコントローラを生成するため,ニューラルネットワークによる学習システムを提案し,その有効性を検討した結果,以下のことを明らかにした. (1)PWM方式によって磁場を変化させることにより磁性流体を移動させることができ,これにより伝達トルクを制御することができる. (2)制御対象を二次遅れ系の伝達関数で近似することにより,学習シュミレーションが可能となり,コンピュータにより第一次近似のコントローラを得ることができる. (3)シュミレーションによって得たコントローラをトルク伝達装置を含めた学習システムに組み入れると,学習により実機へ適合でき,トルク伝達装置を任意のトルクに制御可能となる. (4)温度外乱による制御対象の変化に対して学習により変化量を補正し,コントローラを適合することができる.これにより,外乱に対しても制御対象を希望するトルク特性で安定に駆動させることができる.
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