上流部に隔膜を設置した矩形断面を有する管風洞(ルトビ-ク管)を2種類(喉部の断面積20x5と30x10mm^2)つくり、静圧測定、影写真、光学系を利用した温度測定、粒子をシ-ディングした流速測定を行い、この風洞が設計値と実測値で、持続時間が2-4ミリ秒内にあっては10%以内の誤差で、マッハ数、流速、温度、静圧が一致することを確認した。高圧側気体は大気温の空気と窒素であり、得られたマッハ数は4-4.5、温度は30-50K、0.5-2kPaであった。持続時間を更に長く10-20ミリ秒にあってはマッハ数は3-3.5に減少し、設計値より下がったが、まだ充分な超音速流が得られた。これらの種々の測定より、通常は壁面で静圧を測定すれば、この静圧より計算されたマッハ数、温度、密度を用いて流体内の熱力学的諸量を見積もることが出来ることを確認した。 これより高圧側に窒素の代わりに酸素過剰のプロパンガスと酸素の混合気を入れ、着火させ、下流に流し、静圧測定によりマッハ数4を得た。この気体は高温気体で自発光が強いため影写真によるマッハ数測定は出来なかった。この気体は膨張後の下流部でも高温で、800-1100Kであり、この下流部に液体燃料を噴霧し、下流側から反射衝撃波を起こした気流中で発光信号より着火を観測した。 さらに円形断面を有する管風洞を試作し、静圧測定により、マッハ数約5.5を得た。次年度にはこの管風洞でさらに測定を広げる予定である。
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