プラズマCVD法、及びレーザーアブレーション法によりn型ダイヤモンド薄膜の作製を行ってきたが、ダイヤモンド薄膜のプラズマCVD中にリンを導入する方法やイオン注入法により強制的にリンを注入する方法では低抵抗n型化を達成することはできなかった。そこで、n型化の期待できるワイドギャップ半導体の窒化アルミニウム(AlN)薄膜を作製し、p型ダイヤモンドとpn接合を形成することを試みた。そのために、まず、レーザーアブレーション法を用いて窒化アルミニウム薄膜の高品質化の研究を行った。従来の方法では、窒素の活性化率が低いため化学量論組成のAlN作製が困難であったが、今回の実験ではプラズマ発生器をチャンバー内に装着し、焼結体AlNをターゲットに用いて窒素プラズマ中でAlN薄膜を作製したところ、ターゲットの組成よりも化学量論組成に近いAlN薄膜がSi基板上に配向成長することが分かった。また、窒素プラズマ中で金属Alターゲットをアブレーションすることにより、焼結体AlNをターゲットに用いた場合よりも高品質なAlN薄膜を作製することに成功した。AlN薄膜は低品質だとノンドープでも低抵抗を示すが、今回得られたAlN薄膜はいずれも絶縁体であった。 ダイヤモンド薄膜を基板に用いて、AlNを成長させることでヘテロ接合の作製を行った。ダイヤモンド薄膜上に基板処理なしで均一なAlN薄膜の作製に成功した。次のステップとしてはド-ピングが重要となる。
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