研究概要 |
本研究は,多値システムに適した誤り訂正符号を探求するため,リ-距離に基づく訂正符号に関して代数幾何符号を中心に研究することを目的として行われ,概ね下記の結果を得ている. (1)拡大一般リ-ドマラ-符号の最小リ-距離ならびに最小ハミング距離を理論的に導出し,多くの符号パラメタにおいて拡大一般リ-ドマラ-符号の最小リ-距離が最小ハミング距離を越えることを明らかにしている. (2)代数幾何符号は従来の符号に比べて優れていると考えられてきたが,冗長シンボル数が小さい時には代数幾何符号に優る拡大BCH符号が存在することを明らかにしている. (3)フェルマ曲線とフェルマ曲面の上で構成される代数幾何符号に関して性能比較を行った結果,曲線でなく曲面を用いることによって性能の良い符号は得られないことを明らかにしている[1]. (4)代数幾何符号の部分体部分符号の次元に関し,従来の下界を改善する結果を得ている[2]. (5)有限整数環Z_P^kp(素数)上の巡回符号と有限体GF(p)上の巡回符号と各種符号パラメタの関係を明らかにしている[3]. といった結果を得ている. [1]水谷二郎:“曲面上で構成される代数幾何符号の比較に関する研究",東京工業大学卒業論文,平成7年2月. [2]松本隆太郎:“部分体部分符号の次元に関する下界式の改善",東京工業大学卒業論文,平成8年2月. [3]粕谷成徳:“有限整数環Z_P^kp(素数)上のBCH符号の特徴について",東京工業大学卒業論文,平成8年2月.
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