本研究は、画像を効率良く圧縮する次世代画像符号化方式に関するものである。我々が提案するプログラマブル・アクセラレータ方式は、画像データとこれを実時間で復号する手順(プログラム、PLD回路構成)を一括して伝送する方式であり、新しい符号化アルゴリズムを円滑に導入することが可能になる。 本研究の目的は、提案方式を様々な解像度の画像が統一的に扱えるサブバンド符号化に適用し、実際に画像復号処理システムを構築して、その有効性を確認することにある。6年度の成果目標はその要素技術の確立にある。既に開発した項目を以下に示す。 【ソフトウェア】 (1)PLDの開発ツール、プログラミング手法の確立 (2)パソコン画像表示プログラムの作成および性能評価 (3)サブバンド符号化の制御プログラムの作成 (4)エントロピー符号化(ハフマン符号化)の制御プログラム、および符号化テーブルの作成 (5)回線インタフェース制御プログラムの作成 【ハードウェア】 (6)PLD接続用パソコンインタフェースの設計および製作 (7)PLD開発支援システムによるサブバンド符号化部の回路設計 (8)PLD開発支援システムによるエントロピー符号化(ハフマン符号化)の回路設計 なお、平成6年度購入の設備品が稼働するまでに、提案方式の処理速度に関するシミュレーション実験を行い、すべてソフトウェアで処理する場合に比べ、1桁以上の高速度が図れることを確認した。さらに、画像復号処理システムの構成法等についても検討を重ね、10月にこれらの結果をまとめて学会発表した。 平成7年度は、これらの要素技術を統合したシステムを構築そ、その特性を評価する予定である。
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