研究課題/領域番号 |
06805040
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
三井 康司 信州大学, 工学部, 教授 (20021008)
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研究分担者 |
遠藤 典男 長野高専, 助手 (10213597)
大上 俊之 総合情報処理センター, 助教授 (80152057)
富所 五郎 信州大学, 工学部, 教授 (30021025)
笹川 明 信州大学, 工学部, 教授 (00017922)
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キーワード | Homogenization Method / 微視的周期性 / 熱伝導解析 / 熱応力解析 |
研究概要 |
本研究では、微視的周期構造を有する材料の弾性定数の平均化手法として用いられるHomogenization法を近年注目されつつある同材料の巨視的レベルでの評価、すなわち平均熱膨張係数、および平均熱伝導率算定に用いることを提案した。以下に本年度の研究実績の概要を述べる。 熱弾性問題に関する均質化方程式および熱伝導問題に関する均質化方程式の導出を行い、Homogenization法による平均熱膨張係数、平均熱伝導率算定法を示した。さらに弾性問題、熱弾性問題、非定常熱伝導問題におけるHomogenization法有効性を検討するため、同じ解析モデルに対して、Homogenization法によって算定された平均物性値を用いた解析から得られるユニットセルの縁の平均変位、平均温度、またユニットセル内の局所適応力と、個々の材料の特性を考慮した要素分割を用いて行う通常の有限要素解析から得られるそれらの値を比較することを行った。その結果、弾性問題、熱弾性問題では、平均弾性定数、熱膨張係数算定にHomogenization法の適用が有効であることが検証された。また局所的な応力についても精度よく求められることが解った。しかしながら材料の縁に存在するユニットセルに関しては、その応力分布が精度よく評価できない欠点も見られた。これは(介在物のヤング率)/(基材のヤング率)<1の場合顕著に現れた。非定常熱伝導問題に関しては、介在物の熱伝導率が基材の熱伝導率より大きい場合、精度よく平均熱伝導率が算定できた。逆に介在物の熱伝導率が基材の熱伝導率よりあまりに小さい場合、了解席から得られるユニットセルの縁の平均温度に相違が見られた。熱伝導・熱応力準連成問題に関しては、熱伝導問題同様介在物の熱伝導率に対する基材の熱伝導率の値が大であればHomogenization法の適用が有効であると確認できた。
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