研究概要 |
従来のトップダウン的な建築構造・形態のデザイン手法に、ボトムアップ、フィードバック、創発などのキーワードを有する人口生命理論を応用することにより、新しい自動形態形成システムを構築することを目的として、本年度は下記のような研究成果が得られた。 1.筆者らの従来の人口知能理論やファジィ理論を応用した構造計画システムと、生物の形態形成にみられる創発システムを連結することにより、知命共創システムという知的な自動形態形成システムを創案した。 2.前段のシステムとして、構造材料、空間特性、エコロジィ、経済性、安全性、利用者の好みなどを全て考慮することのできるファジイネットワークを応用した知的建築構造計画システムを構築した。 3.上記のファジィネットワークを知的かつ自動的に解く解法をファジィ合成則を応用して提案した。 4.後段のシステムとして、植物の形態形成を模倣するL-システムを応用し、細胞分裂を遺伝子情報化したG-タイプとし、構築形態をP-タイプとする自動形態形成システムを構築した。 5.上記のシステムに構造形態評価を行い遺伝的アルゴリズムを応用することにより、生物の世代交代と進化をシミュレイトする形態進化システムを構築した。 本研究の最終年度となる次年度は、本年度で構築されたシステムに、更に、CG,CADなどの機能を付与して、よりリアリティと応用性のある、そしてユウザ-フレンドリィなシステムに改善する予定である。
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