目的 分譲マンション管理組合の委託先であり、管理・運営についての専門家である管理会社が、震災後、管理組合に対して行った支援内容と今後の支援体制を明らかにする。 方法 1996年11月に(社)高層住宅管理業協会大阪支部の全会員を対象に、管理物件である被災マンション復興に対する支援内容と、今後の支援体制のあり方についてアンケート調査を行った。配付回収は郵送で行い、配付数91件、回収数56件、回収率62%である。 結果 (1)管理会社の成立過程は、ビル管理業系(39%)と不動産系(26%)とで過半数を占めた。何らかの技術員を擁しているのは32社(94%)である。(2)復旧、建替えの技術的支援は、「自社社員と外部の建築・設備技術者との連携」が59%であり、その内、外部技術者としては、施工業者が42%と最も多かった。また、建物被害度調査、見積もり依頼の紹介先も施工会社、自社(自社の関連会社を含む)の順に多い。(3)法律対策支援は、「自社の顧問弁護士と相談してアドバイスを行った」が30%と最も多かった、(4)経済的判断の支援は、「復旧工事費の無償見積もりを行う」が37%、「復旧工事費借入についての当社提携ローンの紹介・手続き代行」が21%の順で多い。(5)震災後、増加した管理会社の業務は、「復旧(建替え含む)工事に伴う業務の補助」が20%と最も多く、次いで、「総会・理事会の運営補助」、「長期修繕計画の立案補助」の順で多かった。 今後、管理会社として改善すべき点は、危機管理体制の充実や、管理会社と管理組合との相互信頼といったことがあげられている。
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