ポリアニリンのエメラルジン塩を脱プロトン化してエメラルジン塩基とし、ついで還元してロイコエメラルジンとした。このロイコエメラルジンをN-メチルピロリドンに溶解し、各種のアシルクロリドとの反応を行って、ポリアニリンの主鎖のN-の位置にアシル基を導入して、N-アシル化ポリアニリンを合成した。さらに各種のN-アシル化ポリアニリン粉末を絶縁性溶媒に分散させて、エレクトロレオロジー流体を作成した。このN-アシル化ポリアニリンは、アシル基の長さとアシル置換度によって異なる導電性、誘電率を示し、異なるエレクトロレオロジー挙動を示した。N-アシル化置換率が高くなるとキノンジイミン構造が取りにくくなり、電場に対する応答性が失われた。主としてサイクリックボルタモグラム測定による酸化還元電位等電気化学的な性質との関連についてポリアニリン構造をもとに解析した。特にアシル基がオクチル基で置換率が50%のN-アシル化ポリアニリンは、高温、低電場下においても大きな粘性変化を示し、さらに分散性においても優れている事を明らかにした。
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