研究概要 |
1.RFLPは,ジゴキシゲニンで標識したプローブとローラーボルト方式を用いてサザンハイブリダイゼーションを行い,発光反応によって検出することができた.検出感度は,放射性物質を用いた実験系に対し,同等かやや上回ると考えられた。 2.RAPD連鎖地図の作成において,これまで60個体からなるF_2分離集団を用いていたが,この数を115個体に増やし,95RAPDマーカーの遺伝的分離を調べた。その結果,19マーカーは他の何れかと全く同じ分離を示した。残る76マーカーについてMapmakerプログラムを用いて連鎖地図を作成したところ,61マーカーからなる16連鎖群(連鎖群当たり2から14マーカー)を認めた。15マーカーについては,他のマーカーと連鎖は認められなかった。なお,自家和合性を誘導する遺伝子は,RAPD連鎖群の何れにも属さず,現在,Bulked segregant methodを用いて連鎖マーカーを探索中である.一方,米国コ-ネル大学より入手した座乗位置が既知のRFLPプローブについて,両親およびF_1個体での多型を分析した結果,31プローブのうち,21でEcoRIかHindIII制限酵素分解物に対して有効な多型を検出した.今後,F_2集団におけるRFLPマーカーの遺伝的分離を調べ,RAPD連鎖群と既知のRFLP連鎖群との対応関係を明らかにする. 3.花柱タンパクのSDS電気泳動パターンからは,花柱タンパクに最も量が多いと言われているSタンパクを同定することができなかった。SタンパクはRNA分解酵素活性を持つと言われているので,今後,SDS電気泳動ゲルのRNA分解酵素活性染色によりSタンパクの同定を試みる。
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