研究概要 |
ホウレンソウのプロトプラスト培養系の確立を試みたが,プロトプラストを作成するための無菌的な材料を十分得ることができていない.これは,種子培養におけるコンタミが非常に多く,十分な数の無菌的な実生を得ることができなかったことによる.ホウレンソウの種子は,通常の次亜塩素酸ナトリウムでは消毒が困難で,濃硫酸処理をする事によって解決できることが分かるまでに時間がかかったが,現在これを用いてプロトプラストを作成し,培養系の確立を行おうとしている. その間,レタスやコンタミしたホウレンソウの実生を材料として用いて核を持たないプロトプラストであるサイトプラストの作成を試みた.その結果,高張液処理で細胞内における原形質分離が見られ,サイトプラストの作成が可能であることが示唆された. また,サイトプラストとは反対で細胞質を持たない核だけのプロトプラストであるカリオプラストを得るために若い未熟の花粉を用いることを計画しているが.このためには必要なときに花を咲かせる技術が必要となる.一般にホウレンソウは長日植物で若干の低温の影響を受けるものとされているのでファイトトロンを用いてこの事を確かめ,主に長日処理を行うことにより必要なときにほぼ1年中開花を誘導する技術を得た.
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