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1996 年度 実績報告書

持続的農業のための土地利用学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06806027
研究機関東京農工大学

研究代表者

大里 耕司  東京農工大学, 農学部, 助手 (80143634)

研究分担者 千賀 裕太郎  東京農工大学, 農学部, 教授 (90142231)
キーワード持続的農業 / 土地利用 / 谷地田 / 中山間地 / 林地 / 循環型地域農業
研究概要

平成8年度は最終年度として,前年度に引き続き,中山間地を対象として調査を行った。岩手県および,群馬県の吾妻川周辺中山間地で実態調査を行った。中山間地では過疎化や不利な自然条件が営農を阻んでいる。中山間地の谷地田地形には小面積の水田や急傾斜の畑地が多く,土地利用上の大きなネックとなっている。谷地田地形では一般に大規模な圃場整備はできない。機械化も進まず,また圃場へのアクセスが不便な農地は耕作を放棄せざるをえない状況にある。しかしながら,地形的条件の悪いところでも畑地での斜面勾配を緩やかにしたり,灌漑排水施設の導入によって労働を軽減することができる。
今回の調査で地形勾配に対する耕作放棄面積の割合について,地形勾配0〜10%では放棄面積は9.42%と低く,20%以上の急勾配では約1/5が耕作放棄地となっているというように地形と耕作放棄は綿密な関係があることが解った。急勾配の地形では,作業効率が悪く生産性の低い不利な農地であるため,圃場整備で10%以下の勾配にすることが望まれるが,農地造成については技術的な側面と造成後の維持管理の側面を照らし合わせて判断することになる。すなわち,テラス状に造成したもののテラス幅は狭く,段差も大きいということであれば,営農時の作業効率は落ちるし,また土の流亡を押さえるためのノリ面の保護も難しくなるからである。
このように中山間地の社会的な条件の改善には農村環境整備が不可欠である。しかし,農村環境をせっかく整備しても現実にその効果がなければ意味を持たない。環境整備事業としては,農地の持続性を保つことを念頭に置いた生産性の向上が基幹となるが,同時に環境保全,具体的には土壌侵食を起こさないような手当がとくに重要となる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中坪 秀彰・他: "中山間地の環境整備事業における耕作放棄農地の取扱いについて" 農村計画学会学術研究発表会要旨集. 15. 25-28 (1996)

  • [文献書誌] 千賀 裕太郎・他: "地域資源の多面的活用による農村発展計画の試み" 農村計画学会学術研究発表会要旨集. 15. 65-68 (1996)

  • [文献書誌] 斉 琳・他: "土地利用計画におけるアンケート調査法の検討" 農業土木学会大会講演会要旨集. 116-117 (1996)

  • [文献書誌] 安富六郎: "環境土地利用論" 農文協, 280 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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