研究課題/領域番号 |
06807005
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西崎 知之 神戸大学, 医学部, 講師 (00221474)
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研究分担者 |
岡田 安弘 神戸大学, 医学部, 教授 (40073069)
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キーワード | アセチルコリンレセプター / 蛋白燐酸化 / 蛋白キナーゼC / cAMP依存性蛋白キナーゼ / シングルチャンネル / カルシウム透過性 / 遺伝子組換え / アフリカツメガエル |
研究概要 |
クローン化したアセチルコリンレセプター(AChR)を形成するサブユニットのcDNAからそれぞれのmRNAを合成し得られた4つのmRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に微量注入し、卵母細胞にAChRを発現させた。AChR発現卵母細胞膜に対してwhole cell votage clamp及びpatch clampを施行し、蛋白キナーゼC(PKC)、cAMP依存性蛋白キナーゼ(PKA)によるAChR燐酸化がどのようにAChRチャンネル特性に影響を与えるか調べた。PKC燐酸化に関しては、卵母細胞膜に依存するG蛋白結合レセプターを通して内因性PKCを活性化させ、その抑制剤であるPKCIあるいはGF109203Xを用いてその影響を調べた。従来PKCを活性化させるためにフォルボールエステルが幅広く用いられているが、フォルボールエステルはAChRチャンネルに対してPKC活性化以外に直接的作用があることが判明した。内因性PKC活性化による燐酸化でAChRチャンネルのコンダクタンスは増加し、脱感作も促進された。さらにPKC燐酸化はAChRチャンネルCa^<2+>透過性を減少させた。PKA燐酸化に関しては触媒サブユニットをもつPKAを使用し、その抑制剤であるPKI、H89を用いてその影響を調べた。PKA燐酸化によりAChR脱感作は促進し、PKC燐酸化と異なりCa^<2+>透過性は増加した。このようにAChRチャンネルはPKC、PKA燐酸化による二重支配で調節される知見が得られた。以上のように平成6年度に計画した研究目的、計画に対して100%成果が得られたものと思われる。
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