研究課題/領域番号 |
06807005
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西崎 知之 神戸大学, 医学部, 講師 (00221474)
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研究分担者 |
岡田 安弘 神戸大学, 医学部, 教授 (40073069)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | アセチルコリンレセプター / 蛋白キナーゼC / 蛋白キナーゼA / 燐酸化 / バッチクランブ / カルシウム透過性 / メッセンジャーRNA / 部位特異的変異 |
研究概要 |
正常及びミュータントアセチルコリンレセプター(AChR)を、アフリカツメガエル卵母細胞膜に発現させた。whole cell voltage clamp及び、patch clamp法を用いて蛋白キナーゼC(PKC)、cAMP依存性蛋白キナーゼ(PKA)によるAChR燐酸化が、どのようにAChRチャンネル特性に影響を与えるかを調べた。10^<-6>M ACh投与によって得られるシングルチャンネルコンダクタンスは31pSであり、内因性PKC活性化により41pSに増大した。同様の効果が10^<-4>M ACh前処理、あるいはAChRのPKC燐酸化を模擬しているミュータントAChR(mα+PKC/NA333mδ+PKC/NA377)で得られた。またPKC抑制剤の存在下でコンダクタンスは減少し、この値はPKC燐酸化部位の欠如したAChR(mαΔ PKC/Ser33mδ/Ser377)で得られる値と一致していた。以上の結果よりAChRはAChRそれ自身の情報経路で自動的PKC燐酸化が起こっていることが判明した。このPKC活性化経路は従来より考えられているどの経路にも属さず、全く新しいものであることが示唆された。更にPKC燐酸化はAChR脱感作を促進し、AChRチャンネルを通過するCa^<2+>透過性も調節していた。AChRのPKC脱燐酸化状態でCa^<2+>透過性は増加し、逆に燐酸化状態で減少した。この調節はδサブユニットのPKC燐酸化部位で行なわれていることがmδΔPKC/Ser377、mδ+PKC/NA377を用いて同定した。一方AChRのPKA燐酸化によりPKC燐酸化と同様に脱感作を促進した。しかしCa^<2+>透過性は減少し、その調節部位がγサブユニットのSer353であることがミュータントAChRを用いて同定した。以上の結果よりAChRはPKCとPKAによる燐酸化による二重の調節機構があることが判明した。AChRチャンネル脱感作に関してはともに促進作用があり、Ca^<2+>透過性に関しては互いに逆作用を有していた。更にPKCがAChR自身によって活性化される新経路の存在が明らかとなった。
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