研究概要 |
平成6年度は、卵白アルブミン感作マウスを対象に以下の検討を行った。 1.感作マウス(コントロール群)の作製 卵白アルブミンをアラムと共に腹腔内に2回注入して感作し、経気道的に同抗原で誘発した後、気管支及び肺実質の組織学的所見の変化を観察した。気管支、肺実質共にリンパ球を中心に好酸球も含む細胞の浸潤が認められ、組織学的には明らかなアレルギー性の反応が認められた。気管支肺胞洗浄液(BALF)の細胞分画の分析からも同様な結果が得られた。 2.抗IL-2受容体γ鎖抗体による上記感作の阻害に関する検討 感作過程において、抗IL-2受容体γ鎖抗体を投与し、その感作成立に及ぼす影響を検討した。抗体の投与量、投与の時期を変えて、 (1)血清中の抗原特異的IgE、総IgE産生量及び各種免疫グロブリン(IgG、IgM,IgA)量 (2)気管支、肺実質の組織所見及び免疫染色所見 (3)気管支肺胞洗浄液の細胞数、細胞分画、存在するサイトカイン(RT-PCR法を用いて検出) などの研究を行った。現在これらのデータを分析中であり、その結果に基づいて、BALF細胞中のサイトカインmRNAの発現パターンなどの次のステップの研究を行う。
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