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1994 年度 実績報告書

難治性癌の放射線生物学的特徴の予知法および最適放射線治療法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06807072
研究機関京都大学

研究代表者

芝本 雄太  京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (20144719)

研究分担者 高橋 正治  京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00026931)
キーワード放射線感受性予知法 / 増殖能 / 潜在的倍加時間 / 分裂細胞分画 / 微小核形成法
研究概要

我々が考案した細胞分裂阻害下微小核形成試験(cytokinesis-block micronucleus assay)を用いて、腫瘍細胞の放射線感受性および増殖能(分裂細胞分画、潜在的倍加時間)を予測する方法を、種々のヒト腫瘍細胞に対して応用した。手術後に得た腫瘍標本をsingle cellとしてから、一部に2Gyまたは4Gyの照射を行った後、サイトカラシンBを加えて種々の時間培養した。二核以上の多核細胞の割合のプラトー値を分裂細胞分画と定義し、一個の細胞あたりの平均核数が2.0となる時間から潜在的倍加時間を推定した。また照射後の二核細胞中の微小核の頻度から放射線感受性を推定した。これまでに約80種類の腫瘍に対してアッセイを試みたが、その内の約80%において増殖能を評価でき、また約75%において微小核の頻度が評価可能であった。特に今年度は肺癌症例を重点的に検討し、高い成功率を得たが、腺癌と扁平上皮癌の間には増殖能の平均値には有意差を認めなかった。放射線感受性は扁平上皮癌のほうがやや高い傾向があったが、有意差は認められなかった。アッセイ結果と患者の臨床経過を比較すると、分裂細胞分画が20%以上の腫瘍の患者の予後は20%未満のものより予後が悪かった。また潜在的倍加時間と再発までの期間の間に相関が認められた。さらには放射線照射後の微小核の頻度と実際の放射線治療への反応とある程度相関していた。したがってこのアッセイ法は放射線治療のためのpredictive assayとして臨床的に有用と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Shibamoto: "Assessment of the proliferative activity and radiosensitivity of human tumours using the cytokinesis-block micronucleus assay" British Journal of Cancer. 70. 67-71 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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