研究課題/領域番号 |
06807095
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
原 宏 鳥取大学, 医学部, 助教授 (90031963)
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研究分担者 |
中村 廣繁 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (30252852)
小林 薫 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (20215312)
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キーワード | 血管内皮 / 遺伝子治療 / 癌 / IFN / 遺伝子導入 / 培養 |
研究概要 |
血管内皮の培養 手術材料より得た大伏在静脈約5cmを反転させ硝子棒に固定しコラゲナーゼ(0.025%)を添加した Medium199に20分間作用された。この方法により約1×10^3個程度の血管内皮を採取、Medium199に20%患者血清を加え培養を行った。この方法で血管内皮細胞はdoubling time6日から8日でゆっくり成長した。血管内皮は第8因子で染色すると細胞の約70%が染色され30%の線維芽細胞の混入が考えらた。細胞は斎帯静脈より採取したものにくらべ、不規則な形をしたシート状の細胞形態を示した。この培養系での実験が血管内皮への遺伝子導入の基礎実験に使用可能であると判断した。 血管内皮への遺伝子導入 血管内皮への遺伝子導入は培養開始後5日目、リポフェクチンを用いてSV40のプロモーターをもったlacZ遺伝子pSV21acZの遺伝子導入を行なった。導入方法はBRLが推奨するプロトコールに従って行なった。導入遺伝子の発現の検出にはX-galとの反応により青色に染まった内皮細胞をもって陽性と判断した。 遺伝子導入時間の検討 リポフェクチンに封入された遺伝子と培養内皮細胞の接触時間がどのように遺伝子導入効率に影響するのかを検討した。接触時間を13、10、5、3、1時間と漸減させ導入効率を接触後48時間後に観察した。13時間、10時間の接触時間では約40%の細胞に遺伝子導入が行なわれていることが観察されたが、5時間以下ではその導入効率は20%以下であった。この結果は今後研究を続けていく大きな動機づけとなった。しかし、短時間の接触での導入効率は最高でも20%前後であり、しかも、導入に要する時間は3時間近くかかるため臨床応用するためには遺伝子導入法について更に改良を必要とする。リポフェクチンの導入効率をあげるために導入時、培養液に圧力を加えると良いという報告も見られ今後試してみる予定である。いづれにせよ、現在、導入効率をあげるため様々な検討を行なっている。しかし、この方法で遺伝子導入効率が上がらないときアデノウイルスを用いた遺伝子導入も検討していくつもりである。さらに、リポソームによる遺伝子導入がどの程度安定して遺伝子発現を続けるのか、実際にIFNの遺伝子を導入、ELISA法によってその発現をmonitorすることにより検討中である。
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