研究概要 |
6年度は、まず吸入麻酔薬の主たる作用点の一つがProteinkinase C(PKC)の抑制にあるという最近の報告についてトランスフェクション法(電気穿孔法)によってPKC各分子種への抑制効果を検討した。 まず我々の研究方法によって、HalothaneのPKCの活性抑制効果について測定可能であることを確認した後、α、β、γのPKC分子種を含むcPKC(conventional PKC)についてHalothaneによる活性の変化を測定し、その抑制効果を確認しつつある。しかし、我々の研究では、これまでの報告とは一部、一致しない結果を得たので、現在、再現性についてcPKCの測定方法を含めて検討中である。また同時にHalotheneの活性に対する濃度効果、作用時間、可逆性についても検討中である。 さらに、7年度にかけてsevofluraneやIsofluraneのPKC各分子種への抑制効果および濃度効果、作用時間、可逆性について検討し、さらに、現在同時に検討しているラットの脳について、enzyme linked immunosorbent assayによって直接PKC活性を測定する方法を確立し、それによってラット脳に対するHalothane,Sevoflurane,IsofuluraneのPKCの活性抑止効果を直接測定する方法についても引き続き、検討を続ける予定である。
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