研究課題/領域番号 |
06807134
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00108383)
|
研究分担者 |
佐藤 英光 愛媛大学, 医学部, 助手 (30187223)
兵藤 政光 愛媛大学, 医学部・付属病院, 助手 (00181123)
|
キーワード | アブミ骨振動 / レーザードップラー振動計 / 内耳インピーダンス / 外リンパ痿 / アブミ骨固着 / 蝸牛窓閉鎖 |
研究概要 |
内耳インピーダンスは内耳全体の物理的特性を表わす指標であり、その測定は内耳病変の診断に有用であると考えられる。しかしながら内耳インピーダンス測定の臨床的意義についてはあまり研究されていないのが現状である。本研究は様々な内耳病変が内耳インピーダンスにどのように影響しているかを検討する目的で動物実験を行った。 実験には成犬13匹(17耳)を用いた。動物を全身麻酔下に防振台上に固定し、外耳道を削開して鼓膜や耳小骨連鎖を取り除いた後、アブミ骨頭上にガラスビーズを塗布した。これにレーザードップラー振動計からレーザー光を当て、その出力をFFTアナライザーに入力してアブミ骨の振動速度を測定した。ついでパーソナルコンピュータを用いて結果を解析し、内耳インピーダンス値を求めた。 その結果、犬の内耳インピーダンスは1kHzで3.2MΩ、2kHzで4.0MΩ、4kHzで11.4MΩであった。蝸牛窓を穿破して外リンパを形成した場合、内耳インピーダンスは4kHzで最大6dB増加した。蝸牛窓をデンタルセメントで閉鎖した場合は1kHz〜4kHzで最大10dBの増加が見られた。また、アブミ骨をデンタルセメントで固めた場合は6kHz以下の帯域で約12dBの増加が見られた。 以上の結果から前庭窓や蝸牛窓の病変がどの様な周波数域で内耳インピーダンスに影響するかが明らかとなった。今後、蝸牛内の病変の影響について検討する予定である。
|