研究課題/領域番号 |
06807134
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00108383)
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研究分担者 |
兵頭 政光 愛媛大学, 医学部・付属病院, 助手 (00181123)
佐藤 英光 愛媛大学, 医学部, 助手 (30187223)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 内耳インピーダンス / 内耳の物性変化 / 圧電素子 / アブミ骨可動性 / perilymphatic fistula / laser-doppler intorferometor |
研究概要 |
内耳インピーダンスは内耳振動系を駆動する外力(音)に対し内耳が示す反作用の程度と定義され、内耳振動系の状態を示す重要な指標の一つとされている。その測定は内耳炎や内耳出血、メニエール病など内耳物性が変化する疾患の診断に有用と考えられるが、実際にはさまざまな問題があり、これまでほとんど研究されていない。 本研究では、まず、音響刺激に対する耳小骨振動の速度をレーザー振動測定装置で計測し、実験的に作成した様々な内耳病変が内耳インピーダンスにどのように影響するかをモルモットを用いて測定した。その結果、蝸牛窓破裂では中音域で最大9dBの振幅増大が、前庭窓を除く蝸牛破壊では全音域で10dB程度の振幅増大が認められた。内耳圧負荷では負荷圧が大きくなるにつれて低音域の振幅は減少、中音域の振幅は増大した。 ついで圧電素子を利用した内耳インピーダンス測定装置を試作し、イヌにおいてその値を測定するとともに、測定手技の安全性について検討した。その結果、イヌの内耳インピーダンスの平均値は1kHzで3.9MΩであった。測定プローブによるアブミ骨の圧迫で内耳インピーダンスは増大したが、過度に圧迫するとアブミ骨底板が外れインピーダンスはむしろ減少した。 さらに患者の了解のもとに、中耳手術中にこの装置を用いて内耳入力インピーダンスの測定を試みた。その結果、アブミ骨の可動性が良好と考えられた例では1-10kHzでほぼ平坦た周波数特性を示したが、可動性が悪い例ではインピーダンスは高く、とりわけ高音域で高値を示した。今回試作した内耳インピーダンス測定装置は、キヌタ-アブミ関節を離断しなければ測定できないという制約はあるが、中耳手術時にアブミ骨の可動性を診断する目的には極めて有用であると結論した。
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