研究概要 |
この研究は、Epstein-Barrウイルス(EBV)感染と眼炎症との関係を解明することを目的としたものであった。 現在のところ、以下のような知見を残ている。 1.VCA,IgM抗体は、EBV(B95-8細胞)を硝子体に注入した後、5日後には上昇し、注入後25日めには、VCA,IgG抗体が160倍と上昇、さらにFB-DRIgGも上昇した。 2.抗体間の上昇は、注入後約8か月以上経過しても持続していることがわかった。 3.硝子体内に注入されたEBV-DNAは、少なくとも2〜4週間は硝子体中に存在するが、他の組織ではみられない。 4.VCA,IgG抗体は、抗原を注入して24時間後に注入したウサギの眼球を摘出しても、上昇がみられる。 5.EBV関連抗体について、注入するEBV(B95-8細胞)に、あらかじめ紫外線照射を行って不活化すると、VCA,IgG,およびEA-DR,IgGの上昇はみられない。 以上より、ウサギVG(硝子体)にEBVを注入することによって、EBV関連抗体が形成され、長期にわたって抗体間の上昇が持続することから、ウサギにおいてEBV抗原に対する免疫が成立したといえるが持続感染であるか否かは、今後さらに検討を要する。
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