研究課題/領域番号 |
06807141
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福島 祥紘 新潟大学, 歯学部, 助教授 (00018631)
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研究分担者 |
朔 敬 新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)
鈴木 誠 新潟大学, 歯学部付属病院, 講師 (50107778)
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キーワード | 線維芽細胞成長因子 / PCNA / 唾液腺 / 唾液腺腫瘍 / 前癌病変 / 多形性腺腫 / 腺様嚢胞癌 / 粘表皮癌 |
研究概要 |
本年度は以下のような検索をおこない、唾液腺前癌病変の存在を示唆する病巣のあることを確認した。 (1)症例の収集:新潟大学歯学部口腔病理学教室、同歯学部付属病院臨床検査室、同医学部付属病院病理部に登録された過去25年間の病理組織検査ファイルから、大唾液腺および口腔粘膜小唾液腺に発生した、良性および悪性腫瘍症例をすべて抽出したところ、220例がえられた。 (2)病理組織学的再検討:全症例のヘマトキシリン・エオジン(H.E)染色標本を三人の病理医があらたにそれぞれ病理組織学的診断をおこない、その結果を相互照会して、不一致点があれば、その点について検討し、最終的に統一した診断をくだすという作業をおこなって、全症例を新WHO分類によって診断した。同時に同一切片上の腫瘍胞巣周囲の正常唾液腺組織内を検鏡して、導管の増殖性変化をすべて記録したところ、良悪性にかかわらず、腫瘍周辺の唾液腺組織内に異型増殖形態をしめす導管がみられることが判明した。とくに、多形性腺腫、粘表皮癌、腺様嚢胞癌嚢胞癌で、また、小唾液腺発生例で、高頻度にみいだされた。 (3)免疫組織化学的染色:フォルマリン固定パラフィン包埋ブロックから、あらたに連続5ミクロン切片を作製し、鍍銀染色、PAS染色、マッソン三重染色、アルシアン青、AgNOR等の特殊染色と、PAP法またはABC法を用いて酸性および塩基性線維芽細胞成長因子(aFGF,bFGF)、増殖細胞核抗原(PCNA)について免疫染色をおこなった。前項の異型増殖導管細胞がこれらの免疫染色で陽性をしめした。 (4)唾液腺導管増殖性病変の評価:免疫染色によって顕視化された増殖性病変を連続切片のHE染色標本他で再検鏡したところ、これらの病変の病理組織学的特徴を前癌病変として評価しうる可能性のあることが示唆された。
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