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1995 年度 実績報告書

骨誘導の際にみられる特殊な石灰化現象が示す硬組織の石灰化機構

研究課題

研究課題/領域番号 06807142
研究機関徳島大学

研究代表者

山下 菊治  徳島大学, 歯学部, 助教授 (30182497)

研究分担者 桑原 三千代  徳島大学, 歯学部, 助手 (70243706)
キーワード骨誘導 / 脱灰骨基質ゼラチン / 架橋変成コラーゲン / AMD / 石灰化 / 歯胚 / 象牙前質 / op / opマウス
研究概要

本研究において我々は、AMDは移植後3日目より物理化学的現象によって起こることを明らかにした。さらに形態学的解析によりその石灰化の形態はコラーゲンの束の形態によって決まることを明らかにした。つまり、コラーゲン性の石灰化はコラーゲンの太い束が明瞭に残存するのに対して、球状石灰化の場合はコラーゲンの形態が不明瞭で、束は細く、方向性も一定しないことが明らかになった。また、歯胚の脱灰象牙質においてもまったく同様に、石灰化の形態とコラーゲンの形態との相関関係が明らかになった。しかも、象牙前室では石灰化が認められず、類骨や象牙前室のような非石灰化層の基質は石灰化層の基質とは、物理化学的石灰化に対して異なった反応を示すことが実験的に明らかとなった。これらのことを考慮して硬組織形成機構としてのMatrix Transforming Theoryを提唱する。この理論により類骨や象牙前質の様な非石灰化組織の存在意義が明らかになった。この結果については、第99回日本解剖学会総会、The 3rd World Congress for Oral Implantlogy、歯科基礎医学会賞受賞講演、International Association for Dental Research、第37回歯科基礎医学会総会にて報告し、現在論文投稿準備中である。さらに現在、このAMDの形成を抑制する類骨や象牙前質中の蛋白質の探索を行っている。また、op/opマウスに関しては、全身の骨格標本の計測および組織学的観察から、膜性骨化よりも軟骨内骨化が強く抑制されていることが明らかになった。特に、肥大軟骨から骨芽細胞への変換と骨芽細胞の分化が著しく阻害されていた。さらに、軟骨基質に由来する特殊な石灰化過程が存在することが明らかになった。この結果はDentistry in Japan,Vol.32,3-8,1995にて発表し、第100回日本解剖学会にて報告している。現在、微細構造学的にこれらの点について検討を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kikuji Yamashita: "Effect of 1-hvdroxvethane-1,1-diphosphonic acid (HEDP) on new bone formation induced by bone matrix gelatin (BMG)" Acta histochemica. 96. 181-195 (1994)

  • [文献書誌] Kikuji Yamashita: "Histological Study on Endochondral Ossification in the Osteopetrotic Op/op Mouse" Dentistry in Japan. 32. 3-8 (1995)

  • [文献書誌] 二宮雅美: "ラット後肢の指骨切断後の治癒過程に及ぼすEthane-1-Hydroxy-1,1-Diphosphonateの影響" 四国歯学会雑誌. 8(2). 189-206 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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