• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

大腸菌発現アンドロゲンレセプター結合法による顎下腺EGF遺伝子転写調節領域の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06807144
研究機関岩手医科大学

研究代表者

根本 孝幸  岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90164665)

研究分担者 客本 斉子  岩手医科大学, 歯学部, 助手 (90118274)
キーワードアンドロゲンレセプター / EGF / アンドロゲンレスポンスエレメント
研究概要

本研究の当初の方法ではマウスEGF遺伝子をプラスミドに組み込んだまま濃縮、精製してゆく予定であったが、ベクタープラスミド部分にもアンドロゲンレセプターがある程度非特異的に結合してしまった。そこでEGF遺伝子を含むプラスミドを制限酵素で断片化してから、大腸菌発現DNA結合ドメイン(DBD)と結合させ、選択的に濃縮されるバンドを確認する方法に変更することにより、特異的なDNAの結合が確認された。これまでにEGF遺伝子第一エクソンの上流-896〜-431の領域が非常に強くアンドロゲンレセプターと結合することが判明した。この部分の配列を三分割してプライマーを作成し、PCR増幅したそれぞれのDNA断片(各170bp)をプローブとしてアンドロゲンレセプターDBDとの結合をゲルシフト分析により解析した。その結果、それぞれのDNA結合断片のいずれにもアンドロゲンレセプター結合部位が存在ずることが示唆された(平成6年、日本歯科基礎医学会発表)。一方、アンドロゲンレセプターDBDを大腸菌で発現して、その構造DNA結合様式について検討した(根本ら、J.Steroid Biochem.Mol.Biol.50 225-233,1994)。DBDは単独で発現するとDNA非結合状態ではモノマーで存在し、ダイマーは形成しなかった。一方、ステロイド結合ドメイン(SBD)はダイマーを形成した。アンドロゲンレセプターDBDはダイマーを形成する条件でのみ、特異的DNA結合を示したが、モノマーで存在するときはその結合が1/64以下に減少した。このことからintactなアンドロゲンレセプターはSBD部分によるダイマー化がDBDの高親和性DNA結合を誘導するものと考えられた。これまでに報告されているアンドロゲン応答配列(ARE1、プロバシン遺伝子由来)と典型的なグルココルチコイド応答配列(GRE_<TAT、>)とアンドロゲンレセプターDBDへの結合親和性を比較するとGRE_<TAT>への結合がより強かった。このことはAREIが真のアンドロゲンレスポンスエレメントではないか、またはアンドロゲンレセプターの結合配列がGREと違いがないかのどちらかであることを示している。さらに雌マウス顎下腺において雄よりも2倍ものアンドロゲンレセプターmRNAが発現していることを明らかにした(永井ら、Endocrine J.42 31-38 1995)。このことは雌顎下腺においてアンドロゲン-アンドロゲンレセプター系が何らかの重要な機能を担っているために雌の内在性の少量のアンドロゲンを効率よく利用するための補償的発現を意味するのではないかと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nagai M.,Nemoto T.,Masuda,T.and Ota M.: "Down-requlation of androgen receptor mRNA level in mouse submandibular gland by testosterone." Endocrine J.42. 31-38 (1995)

  • [文献書誌] Nemoto T.,Ohara-Nemoto Y.,Shimazaki S.and Ota M.: "Dimerization characteristics of the DNA-and steroid-binding domains of the androgen receptor." J.Steroid Biochem.Mol.Biol.50. 225-233 (1994)

  • [文献書誌] Nagai M.,Nemoto T.and Ota M.: "Mobility of digoxygenin -dUTP polymerase chain reaction products and detection of single-stranded products in agarose gel electrophoresis." Anal. Biochem.221. 208-210 (1994)

  • [文献書誌] Ohara-Nemoto Y.,Sasaki M.,Kaneko M.,Nemoto T.and Ota M.: "Cysteine protease activity of streptococcal pyrogenic exotoxin B." Canadian J.Microbiol.40. 930-936 (1994)

  • [文献書誌] Ema M.,et al.: "Human arylhydrocarbon receptor:functional expression and chromosomal assignment to 7p21." J.Biochem.116. 845-851 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi