研究課題/領域番号 |
06807147
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 豊彦 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80064830)
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研究分担者 |
藤澤 裕美 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (20241143)
横田 たつ子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70192416)
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キーワード | 味覚 / 単一ニューロン活動 / シナプス結合 / 大脳皮質味覚野 / 相互相関活動 / ラット |
研究概要 |
2個の味反応性ニューロンXとYを同時記録して両者の時間的相互相関活動を調べ、ある味質(A)刺激を行なったときに同期発火の起こる確率が高ければ、XおよびYニューロンを共通支配しているニューロンZはAを最適刺激としていると看做してよかろう。この場合、最大の問題は、シナプスを介して上下関係にある2個のニューロン、この場合、ZとX,およびZとY、の味反応特性がよく似ているか、或いは全く異なるかである。よく似ていれば、味反応特性に関する情報が保存されたまま上行していることを意味するが、全く異なっていれば、Zのスパイク放電密度で代表されていた味質Aに関する情報はXとYの時間的関係に置き換えられたことになる。即ち、情報の符号化方法が質的に変化することになる。我々の実験結果では、味反応性が保存されているシナプス関係が最もよく見出される場合は、Zが単一の味のみに反応する場合、即ちXYの相互相関図上の峰の形成が一種類の味のみで見られる場合であった。しかし、XとYがその味一種類のみに応答する場合は少なく、他の味反応性を持ったニューロンからの情報が混入していることが多かった。だが、XとYの最適刺激はZのそれと同じであることが圧倒的に多かったので、これらの例では情報の保存が比較的よいと言えよう。多種類の味で相互相関活動がみられる場合には、XとYが反応出来る味の種類は反って少ないことが多く、時間的符号化とスパイク放電密度の変化による符号化とは全く独立に行なわれ得ると考えられる。その証拠の一つとして、X及び(又は)Yが放電密度の変化を全く示さない味質を時間的に符号化している場合が多いことを挙げることが出来る。
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