本研究の目的は、GPS(Global Positioning System)を利用しての小学生の移動量すなわち、身体活動量を定量化することを目的としている。 本年度は、GPSの精度がどの程度であるか、また定量化するためには、他の方法も導入すべきかどうかという点に焦点をしぼり、研究を推進していった。 その結果、推定精度は、ほぼ71、5mとなり、かなり誤差範囲が大きいという精度であった。これは、本来自動車で使用されるものであること、衛星自体アメリカのものであり、諸条件により、一定の条件下で使用できないこと、建物の影により電波の受信状態が悪化などの要因が考えられた。 この携帯用GPSは、やや大きく小学生には、負担として重すぎた。これは、装置自体の問題であり、改良が望まれる。また、万歩計を併用させたところ、かなり同程度になる精度の結果が示された。これは、現状における万歩計の精度を示すこととなっている。また、データの取得に携帯用パーソナルコンピュータを用いてICカードに記録する予定であったが、プログラム作成とPCMCIAとの接続の確立ができなかったために改良の余地を残している。これは、接続用のプログラム作成にバグが生じ、不十分であったことに起因する。この点は次年度の持ち越すことになるが、研究協力者に依頼することにより、このプログラムの作成をおこなう。 次年度は、今年度の成果を踏まえ、三次元磁気センサーを併用したり、位置精度の補正を試みたり、ジャイロを用いたりすることにより位置検出精度を高めると同時に被験者となっている小学生に多くのデータ取得を行い、研究の確立をおこなう予定である。
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