研究の目的は、利害の異なる国家、地域、組織などの様々の集団が地球規模の環境問題に対して、どのような態度を表明し、相互の交渉にもとづいて如何なる対処を行うかについてのゲームシミュレーションを開発することである。現在までの研究成果は以下の通りである。 (1)模擬世界環境ゲームのゲームマニュアルを作成した。社会的ジレンマと社会的コンフリクトのイベントをゲームの中に盛り込み、あわせてゲーム中に提示する環境問題の視覚情報を作成した。ゲームルールの概要については、日本シミュレーション&ゲ-ミング学会(1994)において発表した。 (2)作成した模擬世界環境ゲームの実施上の問題点を検討し、ゲームルールを改訂するために、このゲームを試験的に実施した。40名のプレーヤーによる約6時間にわたるゲームを2回実施した。その結果にもとづいて、環境ゲームとして実施可能なものに改善した。ゲーム作成のプロセスについては、科学技術融合振興財団・設立記念シンポジウム(1994)にて発表した。 (3)模擬世界環境ゲームの実施結果の分析を行った。ゲームの教育用および研究用としての妥当性を検討するために、ゲーム中でプレーヤーが環境保全に対してとった共同対処などについて分析した。その結果の1部は、東海心理学会(1995)などにおいて発表予定である。
|