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1.分泌経路遮断時のリボソーム蛋白質遺伝子群の転写抑制に関与しているcis-調節エレメントを同定するために、種々の内部欠失をもったりリボソーム蛋白質遺伝子CYH2のプロモーター領域と1acZ遺伝子の融合遺伝子を構築し、酵母の分泌変異株sly1温度感受性株に導入した。いずれの領域を欠失させても制限温度での転写制御がおこり、調節因子がcis-調節エレメントに結合するという単純な調節ではないことがわかった。リボソーム蛋白質遺伝子以外の遺伝子のプロモータ領域との比較等を行なってより複雑なモデルを想定する必要があると考えられる。
2.プロテインキナーゼAの調節サブユニットをコードしている遺伝子が発現しない条件下で、分泌経路遮断時のリボソーム蛋白遺伝子の転写抑制が弱められたが、完全な消失ではなかった。この結果から調節機構にプロテインキナーゼAの関与が推測されるが、中心的な役割は果たしていないことが示唆された。さらに他の系についても検討する必要がある。
3.sly1温度感受性株は1Mソルビトール存在下では制御温度でも生育可能となること、多コピーのプロテインキナーゼC遺伝子を導入することにより部分的に温度感受性が抑圧されることを見出した。
4.分泌経路を遮断した時にリボソーム蛋白質遺伝子の転写抑制がおこらなくなっている変異株については、現在スクリーニングするための系を構築中である。
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