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1994 年度 実績報告書

カブトガニにおける細胞周期と体節形成との関連追求

研究課題

研究課題/領域番号 06808076
研究種目

一般研究(C)

研究機関静岡大学

研究代表者

伊藤 富夫  静岡大学, 教育学部, 助教授 (80111798)

キーワード細胞周期 / 体節形成 / トリコスタチン / カブトガニ
研究概要

細胞周期の6期を阻害するトリコスタチンで体節形成期にあるカブトガニ胚を処理することにより、腹部第1体節が第2体節化する奇形が多く得られた。また、この奇形の出現は体節形成の初期だけでなく、比較的後期においても起こること、処理濃度については、100ng/mlから1ng/mlが適していること、処理時間については1時間から48時間で効果があることがわかった。それほど高率ではないが、体節が増加する固体も見られた。また、発生のより初期に処理したものでは、重複胚や減少胚も現れた。細胞周期との関連については、胚発生へのトリコスタチンの影響はあったものの、細胞分裂は止まっていなかったので、奇形の形成は、細胞周期の停止が直接の原因ではないことが示唆された。一方、RNA合成量は多少増加が見られたので、トリコスタチンによるヒストンの脱アセチル化阻止および遺伝子発現が関連していると考えられる。平成6年度は、ほぼ全ての発生段階において、トリコスタチンの処理を行うことができ、至適の処理時期、処理濃度、処理時間がわかった。また、出現する奇形の種類も大体において、把握できた。細胞周期との関連については、トリコスタチン処理胚の切片でM基の存在を確認したことと、RNA合成量がやや増加していたことから、細胞周期の停止が奇形形成の直接的原因ではないことが示唆されたので今後はトリコスタチンによるヒストンの脱アセチル化阻止および遺伝子発現との関連について調査が必要といえる。また、胚抽出物による、正常化については、まだ確定的なことがいえないので、引き続き解析を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tomic Itow: "Change of the 1st abdominal segment of horseshoe crab into the 2nd segment by trichostatinA." Zoological Science.

  • [文献書誌] 伊藤富夫,加藤由美子,塩澤康人,岡村雅文: "トリコスタチンによるカブトガニの体節分化の変更" Proceedings of Arthropodan Embryological Society of Japan.

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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