アフリカツメガエルをDNP-BGGで免役し、血清中に抗DNP抗体が出現したことをELSA法で確認した後、脾細胞を単離してDNP-OVAをコートしたフラスチックディシュ上でインキュベートしてディッシュに結合した細胞を核の供与者とした。補助金により備品として購入した実体顕微鏡下で、核をUVにより除核した未受精卵に注入したところ、約20%の卵で発生を開始したが、嚢胚を越える段階まで進むものはほとんどなかった。核移植胚が胞胚期に達したところで2次移植を試みたところ、尾芽胚になるものが少数あらわれたが、それ以上発生が進行するものはなかった。さらに、他種のカエルでおこなわれている未成熟卵への核移植をおこなってみたが、核移植胚の発生率を改善することはできなかった。 6年度の研究においては、技術的問題の克服のために多くの時間を費やした結果、その点では成果があったといえるが、論文として発表できるだけのデータは得られなかった。しかし、研究目的達成の前提となる核移植実験の基本的な技術的問題は克服されたので、今後の研究を計画どおりに実施できると考える。
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