研究概要 |
アザや刺青などのカモフラージュのためや、色素脱失症・形成外科的再建術後の組織に対し、医用刺青器でモザイク状に顔料を挿入し正常皮膚色を再現しようとすることがある。しかし、そもそも皮膚の光学的特性がよく把握できておらず、pigment injection後の色調や、その経時的変化を予測できなかった。本研究での試行錯誤の結果、その混色理論のベースになる資料の収集方法を示せた。 1.コンピュータシミュレーション:デジタルカードカメラ(Fujix DS-505)で疾患皮膚色を直接コンピュータに取り込み、フォトレタッチソフト(Photoshop 3.0J)にて色補正をかけたのち、各色網点のレイヤーを重ねる画像処理によりpigment injection後の皮膚色を予測しようと試みた。また画像上、網状色点(実効面積20〜50%)補正で最大カモフラージュ効果が得られる色・パターンを求めた。 2.色彩学的検討:皮膚における実際のPigment injectionで、透過、経時的変化(排出)、輝度などの要素を色彩計(MINOLTA CM-2022)をもちいて検討した。またこの情報をシミュレーションにフィードバックした。 3.データベース化:術前画像・色彩データ・シミュレーション・術後画像などをデータベース(4th Dimension,Image Tower)にいれた。これをネットワーク上で公開すれば他の診療機関への治療の指針と成り得る。
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