平成7年度は次の研究を行なった。第1に知的財産権紛争における意思決定手法の問題を対象にして、知的財産権紛争にいかなる意思決定分析手法が利用できるかを検討した。これは『知的財産権紛争の意思決定分析』(1995)で報告した。 第2に知的財産権紛争と知的財産権を担当する意思決定者を対象に、意思決定者の主観的リスクのみならず、経験、背景、企業の意思決定メカニズム、組織構造が意思決定内容に影響することを検討した。これは実際に知的財産権を企業で担当する100名を対象として、アンケートによる実験的方法を行なった。この結果については発表を準備している。 第3は知的財産権の経済的価値を対象にするものである。その一般的枠組は「製薬企業における研究開発の効率性」(1994)で示したが、その延長である「製薬企業の基礎研究揆力の国際比較」(1996)において、特許の経済的価値を検討した。この研究は現在も続行中であり、別の論文として発表を準備している。
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