研究課題/領域番号 |
06833008
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
熊崎 努 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (20161698)
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研究分担者 |
浜田 勝友 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (00136144)
三井 洋司 広島大学, 工業技術院・生命工学工業技術研究所, 首席研究官
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キーワード | フィブロネクチン / 細胞老化 / 遺伝子発現制御 / 線維芽細胞 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
我々はこれまでに、フイプロネクチン遺伝子が、線維芽細胞及び血管内皮細胞の老化に伴って発現を増してくることを示してきた。この老化細胞で遺伝子の発現が高まる機構を解明するために、フイプロネクチン遺伝子の上流領域に結合する因子について解析を行った。 まず、フイプロネクチン遺伝子の上流領域のクローン化に試みた。一方で、転写開始点の上流約500塩基については、すでにその塩基配列が決定され報告されており、この領域にフイプロネクチン遺伝子の発現制御に重要な配列が含まれていることが示されてきてる。そこでまずこの領域について、老化に伴う発現制御の変化が存在するかどうか検討した。しかし、この領域全体を用いて検討すると、プローブとして大きくなるので、老・若における差を検出するには感度の低下をもたらすことになる。そこで20〜30塩基程度の合成DNAを作製して用いることで、感度よく老・若の間の差を検出することにした。 当初、老・若両線維芽細胞から核タンパク質を抽出して用いたが、線維芽細胞のタンパク質は不安定で壊れ易いことが判明し、データの再現性に問題が生じた。従って、核タンパク質を安定にするよう工夫する必要があり、現在も検討中である。一方、老・若両血管内皮細胞から得た核タンパク質は、線維芽細胞のそれに比べてより安定であったので、これを用いて老・若での差をゲルシフト法により検討した。その結果、極めて大きな変化を示す核タンパク質は検出できなかったが、幾つかの領域において老・若の間で差が見られた。これらについてさらなる解析が必要である。
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