研究課題/領域番号 |
06833018
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
藤田 敬子 (財)東京都老人総合研究所, 分子生物学部門, 助手 (00100131)
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研究分担者 |
丸山 直記 (財)東京都老人総合研究所, 分子病理部門, 研究室長 (00115940)
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キーワード | 老化 / 老化マーカー蛋白質 / SMP30 / カルシウム作用制御蛋白質 / 肝臓 / 肝細胞増殖 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
本年度は特に肝臓の解毒機能や細胞増殖及び細胞死における老化指標蛋白質SMP30(カルシウム作用制御蛋白質RC)の発現と機能について検討するために、種々の肝細胞増殖誘導剤、肝細胞死誘導剤、薬物代謝酵素誘導剤の投与によるSMP30の発現変化をノーザン解析および免疫組織染色法により解析した。各種肝細胞増殖刺激によるSMP30に対する影響はノザン法で硝酸鉛投与により2-3倍の上昇を示し、特に投与後、3時間目と96時間目と2相性にピークを示した。四塩化炭素投与では投与後5-24時間に中心静脈領域に強い壊死が見られるがSMP30もこの時期において約50%に減少した。しかし、投与後、3時間目と72時間目に3倍以上の強い上昇を示し2相性の誘導を示した。再生肝では、8時間、29時間目で約2.5倍の上昇を示した。又、免疫組織染色では投与後24時間で中心静脈領域における強い染色の阻害が見られノザン解析の結果と対応していた。以上の結果より、いずれのタイプの肝細胞増殖刺激によってもSMP30は誘導されたが、その誘導のピークはDNA合成及びMitosisの時期よりもずれていることが明らかになった。四塩化炭素投与後3時間目という細胞死の起こる以前にもいったん強い誘導が見られ、同様な現象が硝酸鉛投与によっても見られたことは興味がそそられる。又、薬物代謝系酵素誘導剤で肝増生を示すフェノバルビタール投与によってSMP30は強く抑制された。またさらにこの蛋白質が欠損した場合に生体がどのような変化を示すかについて解析するためにSMP30遺伝子を破壊する試みを行なうためにまずマウスゲノミックSMP30遺伝子のクローニングを行なった。
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