研究概要 |
昨年度までプラズマを利用した象嵌処理について基礎的な研究を行って来たが本年度は、実際の遺物についてプラズマ処理実験を実施した。遺物は七世紀後半の古墳から出土したもので、円頭大刀の柄頭に亀甲文の象嵌が施されていた。まず文様を確認するためにX線写真を撮影した後プラズマ処理を行った。 プラズマ処理は、高周波放電を利用した半行平板型反応装置を使用した処理条件は、サンプル実験の成果から以下の条件で行った。 高周波周波数13.56MHz,出力2kw,処理温度約200℃ ガス注入量 窒素400cc/min,水素400cc/min,アルゴン200cc/min 処理槽内圧力約133pa,処理時間1時間 この処理の結果,3価の鉄が、還元されるとともに錆に体積収縮が起こり、錆がとれやすくなることが判明した。
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