研究概要 |
群馬県出土2例と佐賀県出土1例の象眼遺物のプラズマ処理を試みた。その目的は、実際の遺物にプラズマ処理を実施した場合の処理条件を決定することにあった。 遺物の保存状態に応じて3種類に分類した。 1)亀裂や錆瘤がなく、比較的緻密な錆層を形成している遺物。 2)亀裂や錆瘤等があり、一部に象眼線が露出している遺物。 3)亀裂や錆瘤等があり、象眼線も腐食して粉状になっている遺物。 1)にたいしては高周波出力3kw,N-400ml/min,H-400ml/min,Ar-200ml/minを1-2時間で処理を行うと良好な結果が得られた。2)はあらかじめ露出した象眼部分にアクリル樹脂をコーティングして処理を行うと象眼に影響を与えずに処理することが出来る。また高周波出力を2Kwにし、1時間野プラズマ処理を遺物の状態に応じて数回繰り返して行うことが有効である。3)については問題が多く今後の処理条件設定の実験を行う必要がある。
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