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1994 年度 実績報告書

東アジアにおける古代ガラスの材質変遷からみた交易・流通システム

研究課題

研究課題/領域番号 06834015
研究機関奈良国立文化財研究所

研究代表者

肥塚 隆保  奈良国立文化財研究所, 飛鳥・藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (10099955)

研究分担者 平尾 良光  東京国立文化財研究所, 保存科学部研究所化学研究室, 室長
キーワードアルカリ珪酸塩ガラス / 鉛珪酸塩ガラス / カリガラス / ソーダ石灰ガラス / 鉛同位体比
研究概要

1、非破壊分析法による材質同定の可能性について検討したところ、アルカリ珪酸塩ガラスの場合は、アルカリの溶出量が大きく、また鉛珪酸塩ガラスの場合は、二次的物質が再結晶することが多く、風化層を除去しないと材質の判定は不可能である事が明らかとなった。
2、古代ガラスの材質は、3世紀後半と6世紀後半、7世紀末、11〜12世紀項に大きく変化する。弥生時代に全盛をきわめたカリガラスは化学組成同位体比(鉛)から判定すると、中国で製造されたものが日本で流通したことは明らかである。
3、古墳時代に多様な色調をもたらしたガラスは、アルミ含有量が多いソーダ石灰ガラス(Na_2O-Al_2O_3-CaO-SiO_2)系で、青紺色ソーダ石灰ガラス(Na_2O-CaO-SiO_2系)とは材質がまったく異なることが明らかとなった。これは、インドに起源をもつソーダ石灰ガラスと、西アジア、地中海周辺に起源を持つソーダ石灰ガラスが3世紀後半ころの日本に伝えられたことは明らかで、今後、日本に伝えられたガラスの製造地について検討する事が重要となった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 肥塚隆保: "左坂墳墓群出土のガラス小玉の分析" 埋蔵文化財発掘調査概報 (京都府教育委員会). 159-166 (1994)

  • [文献書誌] 肥塚隆保: "泣沢女の古墳出土ガラス玉の分析調査" 天満1号墳 (和歌山県吉備町教育委員会). 29-32 (1994)

  • [文献書誌] 肥塚隆保: "古代ガラス置物の材質 -弥生時代のアルカリ珪酸塩ガラス-" 奈良国立文化財研究所年報. 46-47 (1994)

  • [文献書誌] 肥塚隆保: "古代アルカリ珪酸塩ガラスのキャラクタリゼーション(I)" 日本文化財科学会 研究発表要旨系. 39-40 (1994)

  • [文献書誌] 肥塚隆保: "竈門1号墳出土ガラス小玉の分析" 竈門遺跡 (熊本県教育委員会). (予定). (1994)

  • [文献書誌] 肥塚隆保: "大池7号墳出土ガラス小玉の分析" 大池7号墳 (兵庫県教育委員会). (予定). (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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