研究課題/領域番号 |
06836002
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森崎 信尋 千葉大学, 医学部, 講師 (40174411)
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研究分担者 |
神崎 哲人 成田空港検疫所, 厚生技官
斎藤 康 千葉大学, 医学部, 教授 (50101358)
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キーワード | 平滑筋細胞由来遊走因子(SDMF) / 動脈硬化 / 平滑筋細胞 / 内膜由来平滑筋細胞 |
研究概要 |
1.平滑筋細胞由来遊走因子(SDMF)の遺伝子クローニング:前年度でラット精製SDMFから得られた25KDの部分ペプチドのN末端のアミノ酸配列はマウスのある蛋白(X)と高い相同性がみられた。そこで蛋白XのDNA配列をもとにPCRプライマーを合成し、マウス心臓cDNA、ラット心臓cDNA、ヒト胎盤cDNAに対してPCRを行った。得られたDNA断片をプローブとして、ラット平滑筋細胞cDNAライブラリー、ヒト胎盤cDNAライブラリーからcDNAをクローニングした。ラットのcDNAから推測されるアミノ酸配列には、先のアミノ酸分析により決定したアミノ酸配列を含んでいた。これらのcDNAは、SDMFをコードしているものと推測された。現在、このcDNAを哺乳動物発現ベクターに組み込み、COS1細胞にトランスフェクションし、詳細に検討中である。更に、ラット平滑筋細胞にもリポフェクション法でトランスフェクションし、生物活性を検討する予定である。また、cDNAに対するアンチセンスで、SDMFの分泌が阻害されるか検討の予定である。 2.平滑筋細胞由来遊走因子(SDMF)の発現調節:前年度では種々のサイトカインのうち、SDMFの分泌に影響するものはTGF-βだけであることを報告したが、今回は平滑筋細胞のフェノタイプによる違いを検討した。兎大動脈平滑筋細胞のうち、正常中膜と動脈硬化内膜より培養した平滑筋細胞からのSDMFの分泌能を比較したところ、後者の内膜由来平滑筋細胞の方が前者の中膜由来平滑筋細胞より2倍近く多く分泌した。このことから、SDMF分泌に関しても、内膜由来平滑筋細胞は動脈硬化を促進しやすいフェノタイプであることが明らかになった。
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