研究課題/領域番号 |
06836003
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
西山 真理子 千葉大学, 医学部, 助手 (00092081)
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研究分担者 |
木村 定雄 千葉大学, 医学部, 教授 (40134225)
諸井 佳代子 千葉大学, 医学部, 助手 (80110352)
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キーワード | 血管 / 平滑筋 / 収縮 / エンドセリン / エンドセリン受容体 / 薬理学 |
研究概要 |
血管収縮ペプチド、エンドセリンのレセプターにはET_A、ET_Bの2種が知られており、従来、ET_Aは血管平滑筋上に、ET_Bは血管内皮上に存在しているとされていた。本研究において、我々は、血管平滑筋、特に静脈平滑筋には上述の2種のレセプターのほかに、未知のエンドセリンレセプターが複数存在し、すべて平滑筋収縮を引き起こすことを明らかにした。ウサギおよびヒトの静脈に関する薬理学的特性解析から、これらの血管平滑筋にはET_AのみならずET_Bレセプターが存在し、共に平滑筋収縮に寄与すること、そして、ET_Aレセプター、ET_Bレセプターともに、拮抗薬感受性が明らかに異なる2種類のサブタイプが存在する可能性を示した(既知のサブタイプをそれぞれET_<A1>、ET_<B1>として、新しく見出した拮抗薬抵抗性のサブタイプをそれぞれET_<A2>、ET_<B2>と命名)。特に、ヒトの静脈平滑筋においては、この新しく見出されたET_<A2>サブタイプが主要な機能を担っていると考えられた。また、エンドセリンレセプターアゴニストとされている既知のリガンドが、上述の4種類のどのレセプターに作用するかも明らかにした。一方、消化管平滑筋においては、エンドセリンは、平滑筋細胞上のET_<A1>レセプターを介して、弱い収縮作用をあらわすほか、ET_<A1>、ET_<B1>の両レセプターを介して平滑筋細胞膜上のsmall conductance Ca^<2+>-acutivated K^+ channelを活性化することにより平滑筋の弛緩作用をもあらわすことを明らかにした。弛緩作用の方が収縮作用よりも低濃度で生じること、また、この平滑筋に存在するエンドセリンレセプターは、大部分ET_B型のレセプターであることから、エンドセリンの消化管平滑筋における生理機能としては、ET_Bレセプターを介する弛緩作用が重要であることが示唆された。
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