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1994 年度 実績報告書

血管内皮細胞の機能的特性である血管新生の機構解明と制御

研究課題

研究課題/領域番号 06836019
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

及川 勉  財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (40120141)

研究分担者 濱田 博司  財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (00208589)
キーワード血管内皮細胞 / 血管新生 / 血管新生阻害物質 / チロシンキナーゼ / 抗腫瘍作用
研究概要

チロシンキナーゼ阻害物質であるハービマイシンは血管新生を阻害するが、その阻害作用に関与する分子内官能基を突き止めた(Biol.Pharm.Bull.,1994)。またチロシンキナーゼ阻害作用を有するラディシコールとその誘導体などによる血管新生阻害作用の一部を細胞生物学的に明らかにした。さらに3種類のPDGF(血小板由来増殖因子)isoformsがいずれもin vivoで血管新生を誘導することを見い出した(Biol.Pharm.Bull.,1994)。PDGFの膜レセプターは機能的チロシンキナーゼを含むことが知られている。これらの知見を総合的に考えると、ある種のチロシンキナーゼが血管新生機構において本質的な役割を演じていることが強く示唆された。またチロシンキナーゼ阻害活性は血管新生阻害物質を探索する際の重要な指標になる可能性が示された。
鶏卵漿尿膜法を用いて見い出した血管新生阻害物質、ラディシコールが血管新生病の一つである癌に対し治療効果を示すかを検討した。ラディシコールは自家癌と移植癌に対し抗腫瘍作用も腫瘍血管新生阻害作用も示さなかった。一方、ジパルミトイール化した誘導体がこれらの腫瘍の増殖をほぼ完全に抑制し、また顕著な延命効果を発揮することを突き止めた。さらにこの誘導体は、これらの腫瘍が誘導する血管新生を抑制した結果、抗腫瘍作用を発揮することを示唆する事実を今年度新たに導入・確立したmouse dorsal air sac法を駆使して掴むことに成功した(Nature,in preparation)。また新しい血管新生阻害物質を数種類見い出しつつある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Oikawa,T.: "Possible functional groups responsible for inhibition of in vivo angiogenesis by herbimycin A" Biol.Pharm.Bull.17. 1430-1432 (1994)

  • [文献書誌] Oikawa,T.: "Three isoforms of platelet-derived growth factors all have the capability to induce angiogenesis in vivo" Biol.Pharm.Bull.17. 1686-1688 (1994)

  • [文献書誌] Oikawa,T.: "Strategies to find novel angiogenesis inhibitors as potential therapeutic agents for cancer" Curr.Med.Chem.2. 406-417 (1994)

  • [文献書誌] 及川勉: "ガン増殖抑制に新たな手法-ガン細胞の栄養補給を断つ" 治療. 76. 1494-1496 (1994)

  • [文献書誌] 及川勉: "ニワトリ胚漿尿膜、ウサギ角膜を用いた血管新生因子の検出" 現代医療. 26. 1849-1855 (1994)

  • [文献書誌] 及川勉: "腫瘍血管新生" 医学のあゆみ. 170. 544-548 (1994)

  • [文献書誌] 及川勉: "がんの侵潤・転移研究マニュアル" 金芳堂(がん転移研究会編), 252 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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