研究概要 |
平成6年度は,以下の資料収集とシステム開発を中心に研究を遂行した. 1)都市道路デザイン情報の収集・分析(福井・三宅) 都市道路をさまざまな観点から分類し,それぞれに関して,デザイン情報を収集した.情報の中心は,既存あるいは計画中の種々の道路デザインの事例であり,文献・実地調査によって収集した.収集した事例数は,道路種別毎に数百例となった. 2)都市道路デザイン情報データベース・システムの構築(福井・三宅) 道路デザイン事例の,(1)見えを50字程度で記述したもの(場景記述文),(2)場景記述文分析データ,(3)写真をイメージスキャナーで読み込んだもの(場景写真),(4)課題-方策データ,(5)景観構成要素マトリックス,などでデータベースをつくり,さらにこれを管理するオペレーション・システムを開発し,併せてデータベース・システムを構築した. 3)イメージ形成支援システムの研究・開発(榊原・三宅) デザインプロセスにおけるイメージづくりの段階での「形象的イメージ」ならびに「意味的(文表現的)イメージ」の形成を支援するシステムの研究・開発を行った.このシステムについては,一般の広域幹線道路のデザインのための初期的なシステムを既に得ているので,これを改良し,機能更新,修景,修復を含む道路デザイン一般に利用できるシステムとした.さらに,システムの論理構成をより精緻化し,高次元のシステムへと改善を試みた. 4)課題解決支援システムの研究・開発(榊原・福井) 都市道路の保全において解決が必要な景観形成上あるいは空間構成上の課題に対応した方策・手段を見いだすためのシステムである.エキスパート・システムとして,その論理構成の当初から研究・開発するものであり,本年度はエキスパート・シェルの「大創玄」を利用した初期的なシステムとなっている.
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