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1994 年度 実績報告書

海洋の深海系における動物プランクトン・マイクロネクトンの食性

研究課題

研究課題/領域番号 06839008
研究機関東京大学

研究代表者

寺崎 誠  東京大学, 海洋研究所, 教授 (20111586)

研究分担者 菊地 知彦  横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (60214756)
西田 周平  海洋研究所, 助手 (70134658)
川口 弘一  海洋研究所, 教授 (40013586)
キーワード海洋 / 深海 / プランクトン / マイクロネクトン / 食性
研究概要

1.相模湾に生息する中・深層性カイアシ類5種の生物量の季節変動、昼夜鉛直移動、摂餌生態および食性を明らかにした。カイアシ類は中・深層性植物プランクトン生物量の85%以上を占め、卓越種Pleuromamma xiphiasは成長に伴い深い層に生息するようになり、1日に約700-800mの昼夜鉛直分布を行う。消化管内のクロロフィル-a量は、同じ水深で昼夜に採集されたカイアシ類では、昼より夜に高く、深層より浅層のカイアシ類が高い値を示すことから、浅い層でよるに活発に摂食し、深い層に沈降しながら餌を消化しフェオ色素化あるいは排泄することが分かった。中深層種は珪藻類の多数の破片や、植物プランクトン塊や囲食膜を摂食していた。これらの消化管内容物は表層の動物プランクトンが排泄した糞粒などに由来すると考えられる。
2.相模湾から採集された浮遊性エビ類3種、魚類マイクロネクトン5種について窒素安定同位体を用いて食物連鎖における位置ずけを明かにした。マイクロネクトンのN-15は9.4から14.2%の範囲にあり食段階の高いものほど大きな値をしめした。同一種でも大きさによりN-15は変化し、例えばヨコエソでは成長に伴いN-15は大きくなるが、雄が雌に性転換した時点で両者の値に大きな差異が認められ雄と雌では異なる餌生物を補食していることが示唆された。一般に魚類マイクロネクトンのほうが遊泳性エビ類よりN-15の値が大きかった。
3.相模湾の近底層(0.5-3m)のプランクトン生物量は1000m^3当たり4.0から43.3gでむしろ深海中の生物量より高いことが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Terazaki,m.: "^<15>N abundance in micronekton in Sagami Bay,Central Japan" Journal of Plankton Research. 16. 1589-1593 (1994)

  • [文献書誌] Terazaki,M.: "Measurement of swimming speed and pulser rate of salps using a video equipment" Bulletin of Plankton Society of Japan. 41. 170-173 (1994)

  • [文献書誌] Nishida,S.: "Integumental ultrastructure and color patterns in the iridescent copepods of family Sapphirinidae" Marine Biology. 119. 205-210 (1994)

  • [文献書誌] Nishida,S.: "Copepodid stages of Hemicyclops japonicus Itoh and Nishida(Poecilostomatoidae:Clausidiidae) rared in the laboratory." Journal of Crustacean Biology. 15. 134-155 (1995)

  • [文献書誌] Kikuchi,T.: "Benthopelagic zooplankton from a deep-sea cold-seep site in Sagami Bay." Bulletin of Plankton Society of Japan. 41. 173-176 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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