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1994 年度 実績報告書

バイオミネラルによる海洋生物の環境履歴解析

研究課題

研究課題/領域番号 06839016
研究機関京都大学

研究代表者

荒井 修亮  京都大学, 農学部, 助手 (20252497)

研究分担者 青海 忠久  京都大学, 農学部, 助手 (10144338)
中原 紘之  京都大学, 農学部, 教授 (80026567)
田中 克  京都大学, 農学部, 教授 (20155170)
坂本 亘  京都大学, 農学部, 教授 (50013587)
キーワード硬組織 / 微量元素分析 / 耳石 / 鱗隆起線
研究概要

1.マダイ鱗の隆起線解析
マダイの鱗には規則正しい縞模様が刻まれている.縞々の一本を隆起線という.鱗はふ化後1カ月ほどで形成され,その後成長とともに本数が増えていく.本研究において水温を制御した飼育実験から,稚魚期のマダイの成長は水温に依存すること,隆起線数は水温の関数となっていることを明らかにした.この結果,隆起線の間隔値の変動は水温変動の程度を表しているとの示唆が得られた.また,成魚の鱗隆起線間隔値の変動から,生息水温が推定できることを見いだした.
2.魚類耳石の微量元素分析
硬骨魚類の耳石はアラゴナイトの針状結晶である.この結晶中の微量成分の内,特にストロンチウムは含有量が多く,マダイでは1000〜2000ppm含まれる.我々の測定では,隆起線同様,Srの含有量は水温が高いほど多いことが分かった.なお,水温と硬組織中の微量元素含有量との関係は,種によって異なることが知られており,本研究で得られた結果から,魚類においても種によってその関係が異なることが明らかとなった.
3.アサリ貝殻の成長線形成要因
アサリの貝殻の成長線は潮汐に伴う干出によって生じており,一方,潮汐周期は理論的に計算できる.しかし,実際の海面の上下動は,特に内湾ではセイシュや低気圧の通過による影響を大きく受ける.舞鶴湾での実験の結果,成長線には,潮汐周期に加えてセイシュ,低気圧及び水温の影響が刻まれている可能性が示唆された.また,成長線の画像解析による空間系列解析から,貝殻の成長速度等の情報が得られる可能性を見いだした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nobuaki Arai: "Analysis of Trace Elements in Otoliths of Red Sea Bream Pagrus major" Fisheries Science. 61. 43-47 (1995)

  • [文献書誌] Nobuaki Arai: "Analysis of Trace Elements in Fish Otoliths by In-Air PIXE" RIKEN Accel.Prog.Rep.28. 135 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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