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1994 年度 実績報告書

選点法を用いた高精度時間積分公式の開発と非定常微分方程式系への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06854008
研究機関徳島大学

研究代表者

今井 仁司  徳島大学, 工学部, 助教授 (80203298)

キーワードスペクトル法 / 選点 / 積分 / 高精度
研究概要

スペクトル選点法は既に開発されている手法であるが,いままでは無限精度を持つことだけ強調されて応用されてきた.それをここでは,無限精度ではなくむしろ任意精度に設定できるという特徴に着目して,任意次数の時間積分公式として新たな位置づけを行った.このような観点から見ると,いままでの次数が代わると公式自体が大幅に変わってくる時間積分公式とは全く異なった,選点数によって次数が任意に自由に設定できるという全く新しいしかも使い易い時間積分公式が誕生したといえる.また,それを応用した新たな手法をいくつか開発してスペクトル選点法による数値シミュレーションの適用範囲を大幅に広げた.具体的な内容を以下に述べる.
1.スペクトル選点法による時間積分公式の高精度性との安定性解析
スペクトル選点法による時間積分法は,理論的には選点数と次数が比例し絶対安定であることが予想されたが,数値実験によりそれが確認された.このことから,時間刻みを大きくとり任意の高次精度の計算をすることによって,丸め誤差の影響を受けにくい長時間積分が可能になった.
2.スペクトル選点法の高速化手法の開発
差分法などでも(非線形)連立一次方程式が反復で解かれるのと同様,スペクトル選点法でも反復法が用いられる.スペクトル選点法は,精度が高い反面計算規模が大きくなると行列の性質が悪くなり,前処理なしでは反復計算が収束しない.ここでは,いままでの拡張となっている前処理を新たに開発した.この前処理法によっていままでより少ない計算時間でスペクトル選点法の大規模数値シミュレーションが可能になった.
3.非定常偏微分方程式系への応用
時間空間ともにスペクトル選点法で離散化し写像関数を用いた固定領域法を併用することで,自由境界問題に対する新たな高精度数値計算手法を開発し,数値計算でその高精度性を確認した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 周偉東: "自由表面を有する熱対流の数値シミュレーションと線形安定性解析" 日本応用数理学会論文誌. 4(1). 27-40 (1994)

  • [文献書誌] HITOSHI IMAI: "CONVERGENCE OF ATTRACTORS FOR THE SIMPLIFIED MAGNETIC BENARD EQUATIONS" European Journal of Applied Mathematics. (accepted).

  • [文献書誌] Hitoshi Imai: "Application of the Fuzzy and Spectral Collocation Methods to an III-Posed Shape Design Problem With a Free Boundary" "INVERSE PROBLEMS IN MECHANICS(eds.S.Saigaland L.G.O1son),"THE AMERICAN SOCIETY OF MECHANICAL ENGINEERS. AMD-Vol.186. 103-107 (1994)

  • [文献書誌] Hitoshi Imai: "APPLICATION OF SPECTRAL COLLOCATION METHODS IN SPACE AND TIME TO FREE BOUNDARY PROBLEMS" (to appear).

  • [文献書誌] 今井仁司: "時間積分におけるスペクトル選点法の有効性について" 統計数理研究所共同リポート. 55. 185-190 (1994)

  • [文献書誌] 周偉東: "スペクトル選点法に関する最適パラメータ前処理法" 応用数学合同研究集会報告集. 53-1-53-2 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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