研究概要 |
連続表現で工学に有益な偏微分方程式に対応する離散方程式を求める基礎的な研究を行った.その研究の独自性は,とにかく何とか今の解析手法で解ける偏微分方程式として数学の分野で重要な研究対象として知られるパンルヴェ方程式の離散表現を見いだすことであった.ある程度その離散パンルヴェ方程式は知られていたが,その導出法には疑問が残っていた.当研究は方程式の特異点に注目しその特異点の性質を,離散表現での方程式でも保存されるようにするにはどうしたらいいかについてある程度答えた. 詳しくは,離散パンルヴェ方程式を求めるための手法として「特異点閉じこめ法」が知られていたが,その正当性の評価を出来るような基礎的な研究を行った.このような研究からその他の分野との多くの関係が見いだされまた,特異点閉じこめ法の拡張利用も考察した.専門の研究者のみならず初学者がすぐにでも興味もてるような啓蒙も活動も行った.研究実績を箇条書きにすると以下のようになる. 1.特異点閉じこめ法の意味付けの明確化 2.パンルヴェ方程式と離散パンルヴェ方程式の関係の説明 3.特異点閉じこめ法の拡張利用法の開発 4.特異点を持つ可積分偏微分方程式のあるものに対応する,離散方程式の構成法の考察,一次分数型変換の重要性 5.以上の研究成果の発表 なおこの研究の成果は平成7年度に開催される国際学会での発表の予定である。
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