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本研究の目的は、星状神経節つまり頚部の交感神経系が中枢、すなわち視床下部に影響を及ぼしているかを実証することにある。視床下部温が変化することは、視床下部直接の影響以外に視床下部を還流する血管系の影響を否定できない。そこで今回、星状神経節の上位にある上頚神経節を直接電気刺激して、視床下部の細胞が影響を受けているかを検討することにより、頚部交感神経系と視床下部の連絡を電気生理学的に研究した。ラットの上頚神経節に、製作した末梢刺激電極を装着して電気刺激して、視床下部室傍核の細胞の反応をとらえ、その記録をヒストグラムでおこなった。末梢知覚神経の刺激では痛みに対して反応する細胞も、交感神経刺激では反応は見られなかった。この原因として交感神経系が視床下部にフィードバックをかけていないとも考えられるが、電極が不完全であったことにより電気刺激が不十分だったこと、刺激の種類がよくなかったことなども考えられる。また今回記録に用いた室傍核の細胞が交感神経系の投射を受けていない可能性もある。よって今回の実験結果が陰性であったからといって、頚部交感神経系と視床下部の連絡ないとは言いきれない。現在、末梢刺激電極を作成し直して、また交感神経節も星状神経節を露出して、同神経節を直接刺激する実験を行っているところである。また、視床下部の記録細胞も種々検討を行っているところである。星状神経節は上頚神経節に比べ、脳血管への影響は少ないため、視床下部への投射が証明されれば、視床下部温の変化も直接的な視床下部への投射によるものと考えることができる。
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